スポーツカーの楽しさを実感したい!プロがオススメする車種

スポーツカーは爽快な走りを楽しめてスタイルも美しい。しかし、実用性がイマイチ......そんなイメージはあります。それでも、車を運転する楽しみはかけがえのないものです。実は意外と使い勝手も良く、乗ってみて初めて気づく「乗って良かった!」が多いことをご存じですか。今回は数々のスポーツカーを乗り継いできたモータージャーナリストの2人に、スポーツカーの醍醐味について話を聞いてみました。「スポーツカーに乗ってみたいけど...現実的には難しいかなぁ」と思っている方にぜひこの記事を読んでいただきたいです。

モータージャーナリスト 五味康隆(ごみやすたか)

【プロフィール】
モータージャーナリスト
五味康隆(ごみやすたか)全日本F3選手権への参戦経験もある元レーシングドライバーで、現在はモータージャーナリストとして活躍中。各種メディアで執筆活動を行うほか、自身のYoTubeチャンネル『E-CarLife』を立ち上げて独自にクルマの魅力を伝えている。

モータージャーナリスト 橋本洋平(はしもとようへい)

【プロフィール】
モータージャーナリスト
橋本洋平(はしもとようへい)自動車雑誌の編集者を経てフリーのモータージャーナリストに転向。2019年のGR 86/BRZ Raceではクラブマンシリーズエキスパートクラスのシリーズチャンピオンを獲得。スポーツカーマニアの視点かつ庶民的なクルマ評価でファンに支持されている。

スポーツカーの楽しさとは

スポーツカーって面倒だし、普段使いするには不便なイメージがありますよね。だからこそ、乗る人にとってはクルマは特殊な存在で、特別な思い入れがあるという気がします。

スポーツカーは両極端な2つのタイプがあると僕は考えています。スピードやタイムを味わうタイプと、フィットネスジムで体を動かすように、ドライバーが操ることを楽しむタイプがあると思います。ちなみに速さ優先ならGT-Rが代表的ですね。僕の考えでは「アクセルとブレーキの2つのペダルのみで効率的に走らせる」のは速さ特化型です。

もうMT車じゃないとスポーツカーじゃないということになりますかね。

身体を動かしますからね! 庶民派代表としてそう捉えてます。ロードスターS660などは、決して速くはないけれど、普段乗ってて手足動かして、という楽しみがあります。

そういったモデルは踏み切れるし、やっぱり楽しいですよね。僕はそういった観点で86がイチオシです。MTでバランスがとてもいい。速度低い領域で楽しいクルマじゃないと「危なっかしい」イメージがあるので。

今はクルマの性能が高くなりすぎて、日本の道だと気持ち良くスポーツできないですからね。ワインディングを気持ちよく走る、走れるって時代じゃないと思うんです。だからスピードを出さなくても楽しめる非効率なMT車ってのをオススメしたいですね。要は「パワーのないスポーツカー」推奨派です。

ジムニーのMTはどう思います?

あれはスポーツじゃないですか?

そうですよね!普通の定義ではあれをスポーツカーとは捉えないですが、効率よく走らせようとしたら身体をちゃんと動かさないといけないのでスポーツなんですよね。そういう観点で考えると「スポーツカー」って勘違いされているかもしれないですね。クルマと語らう世界...速さなんて関係ないです。それこそボディタイプも関係なく、まずは意識から始まるとも思っています。クルマをどれだけ意図的に動かそうとするか...。そして、それに応える性能さえあればスポーツの世界に飛び込めるのです。

それこそが一般道で楽しめるスポーツカーだと思います。ところで、いまスポーツカーって世間的に「かっこいい」って思われるんですかね?僕なんてペッタンコで2シーター、さらにオープンなら最高だと思うんですが。

好みもありますが、スポーツカーに求めるのは人それぞれで良いと思います。僕はとにかく「軽さ」って大事だと思いますね。服と同じで「スポーツウェアを着れば動きやすくなる」というのと原理は一緒ですね。やっぱりスポーツカーにはキビキビ感、意のままに動くってことは大事です。

オススメはMT車と言いましたが、軽さはAT車でも感じられる要素なので同様に大事だと思います。

初心者には86よりローパワーのスポーツカーをおすすめしたいです。ロードスタースイフトスポーツですかね。86は運転が上手くなったら、さらに奥深いスキルを学ぶには最適だと思います。

ちょっとは実用性はほしいので、86ロードスターくらいのトランクの広さはあったほうがいいですね。

僕も使い勝手はスポーツカーでまず必要な性能だと思います。誰かを隣に乗せた時に不満が出ないことは重要ですから、乗り心地も大事にしています。あとはクルマが素直に反応してくれればいい。エンジンもハンドルも、クルマのレスポンスを重要視しています。

2+2※1のクーペは普通に見れば狭いって言われますが、荷物を積むにはかなりいい仕事をしてくれますよね。僕は86でタイヤ4本積んでレース行ったりしてました。



─ プロのおすすめ:スポーツカーとしての走りを純粋に楽しめる

トヨタ86

トヨタ 86

スポーティーな外観から感じるままのアクティブな走りを楽しめる。MTでバランスが良く、低重心で安定した乗り心地。カーブを曲がるときの快感と思い通りに加速できる喜びはたまらない。

ホンダS660

ホンダ S660

全体にパーツが凝縮され、理想的な走りを実現。フロントウィンドウなど随所にこだわりが息づく。密閉性の高いロールトップ※2はラクに収納。すぐ開放感を感じられる。運転する楽しみを実感。

マツダロードスター

マツダ ロードスター

車との一体感が素晴らしく、究極のドライビングを楽しめる。運転技術も磨きやすい。グレアフリーハイビーム※3で夜間も安全。日常にも十分使いこなせる。全グレードに先進安全技術標準装備。

まずは純粋に運転を楽しんでほしい

最近はAT車でもいいスポーツカーが増えています。僕が求めるレスポンスは速く走るのも重要ですが、イメージしたとおり快適に走ることにも必須の特性であり、それをAT車でも備え始めていると感じています。

僕は真逆でして、スポーツカーは乗りにくいほうがおもしろいなと。スポーツジムに通うのと同様に「とにかく身体を動かす」ことを意識して乗ってほしいんです。

橋本さんは運転自体に相当のフォーカスを与えているので「不便であること」を魅力的に感じられるんでしょうね。言いたいことはわかりますよ。

オススメはやっぱりロードスターです。とにかく「ちょうどいい」感じです。比較的ローパワーだし、古典的なスポーツカーの走りを味わえます。あとはS66086ですね。

僕はまず86ですね。あとはオープンエアと実用性でコペン、そしてスイフトスポーツです。スイフトスポーツはシフトフィールもいいし、とてもキビキビ走りますからね。

軽くて実用的、という意味ではアルトワークスもいいと思います。MT車の設定もありますから。

誰かに勧めるなら、まずはロードスター。運転の楽しさや挙動のわかりやすさは「人馬一体」を味わえます。また、スポーツカーとしての走りの輝きという意味では、トップクラスに君臨するS660は忘れてはならないモデルですね。

実用性よりも走りを重視する形ですね。

マニア目線ですかね。その観点なら、最近だとワークスチューン※4のコンプリートモデル※5もいいですね。トヨタならGR、日産ならNISMO、ホンダならModulo X、スバルならSTIスポーツと。環境的に「ミニバンしか選べない」という人でも、これらの車種ならスポーツの世界を味わうことができます。スポーツカーを敬遠する人も多いはずですが、"食べず嫌い"かもしれないですよ。ぜひ一度経験してみると良いと思います。新たなクルマの魅力、楽しいカーライフを得られるかもしれません。そういったスポーツカービギナーには、メーカーのスポーツチューン(改良)モデルはとてもいいんです。



─ プロのおすすめ:実用性もありつつ、運転を楽しめて運転がうまくなる

スズキスイフトスポーツ

スズキ スイフトスポーツ

洗練されたデザイン。ハンドリングの良さと力強い加速が魅力。キビキビと走り、シフトチェンジも心地よい。MT車はチューニングしつくされた6MT。マニュアルシフトを存分に楽しめる。

ダイハツコペン

ダイハツ コペン

コンパクトでありながらスポーツカーの楽しみを存分に味わえる。荷室の広さなど実用性も兼ね備える。フルオープンになるアクティブトップは快適な室内から一気に光と風を感じられる開放感へ。

スズキアルトワークス

スズキ アルトワークス

駆け抜ける疾走感。体に感じる躍動感。レカロシート標準装備で包み込むホールド感がうれしい。長距離も疲れにくいのでドライブを存分に楽しめる。誰でも楽しめるスポーツカー。MT車設定あり。

スポーツカーの意外な魅力

スポーツカーの意外な魅力ってなんでしょう。運転すると眠くならないってのはひとつありますよね。刺激のあるスポーツカーならではの魅力です。

そうですね。86ですが、実はリヤシートを倒せばワゴンのように使えるんですよね。ドライブの途中、これを利用して休憩したことがあるのですが、トランク側を頭にするとかなり暗いのでリラックスできるんですよ。

あと、速そうなクルマって煽られないですよね。煽り運転が問題視されている今のご時世、なんだかんだ言って重要なことかもしれません。

オープンカーに限られますが、パーッと開けている感覚がとにかく気持ちいいです。眺めの良い場所に車を停めて星空を眺める、というような楽しみ方もできますね。

スポーツカー×オープン環境は、気持ちよさ倍増ですね。あとは燃費も意外といいです。ボディの軽さや余裕のあるエンジンによって、効率を求めた走りだからこそ燃費に効きますね。

そうですね。あと、周りの子どもウケがいいんですよね。小さい子どもに喜んでもらえるとやっぱりうれしいものです。実用性よりも走りを重視するので、乗りづらいとか大人ウケは悪いですがね。

シャキッとした走りをするので同乗者がクルマ酔いしにくいですよね。ミニバンなどと比べると、しっかりした走りのほうがクルマ酔いはしないはずです。

改めて考えると、スポーツカーって色々な魅力があるものですね。

乗って良かったと思えるスポーツカー選び

一、 乗ることによって新しいクルマの楽しみ方を得られるので、まずは乗ってみる。
二、 実用性を兼ね備えたモデルもあるので、スポーツチューンモデルから検討してみる。
三、 子どもに喜んでもらえる、など自分なりの「乗る理由」を見つける。

スポーツカーの楽しさを実感できる車選びのために





【用語ご説明】
※1 "2+2"...ツー・プラス・ツーと読む。2+2シーターのこと。自動車の座席配置を指す。室内が広くないスポーツタイプの自動車で採用されることが多く、乗車定員4名で運転席・助手席はしっかりと作られ、後部座席は簡易に作られているスタイル。
※2 ロールトップ...オープンカーの天井(屋根)の役割を果たすパーツのこと。通常、砂ぼこりや風や雨などを防ぐための防水布が車体後部と座席の境目からせり出してきて、上部を覆って天井の役目を果たす。ロールトップは、すべて手作業で取り外しを行う。※S660は後方にエンジンを搭載するリアエンジンのため、フロントのボンネットの中にある格納庫に収納する。
※3 グレアフリーハイビーム...対向車両や先行車両を自動的に検知して遮光し、照射範囲を調整する機能のこと。自動的にハイビームの光量を軽減するので、対向車両や先行車両の運転手に与える眩しさを抑えられ、ハイビームをつけたり消したりという煩わしさからも解放される。アダプティブハイビームやオートマチックハイビームなどメーカーや車種によって名称が違う場合もある。
※4 ワークスチューン...自動車メーカー直系のモータースポーツブランドや子会社にあるワークスチーム(ファクトリーチーム)によって手掛けたチューニングやドレスアップのこと。ワークスチーム(ファクトリーチーム)によるチューニングパーツの装着も含まれる。
※5 コンプリートモデル...あらかじめチューニングやドレスアップがされた状態、カスタマイズされた状態で販売されている車のこと。コンプリートカー。新車の場合は、コンプリートされた状態での納品となるので、自分で車をチューニングする手間もなく安心感がある。

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