カーリースでスタッドレスタイヤに交換はOK?やり方や費用を解説!

降雪地帯に住んでいる方などは、カーリースで利用する車のタイヤをスタッドレスに交換してもいいのか、気になりますよね。今回はカーリースを利用する車両のスタッドレスタイヤの交換可否、タイヤ交換方法、費用を中心に解説します。

カーリース車両はスタッドレスタイヤに交換できるの?

カーリースの車両をスタッドレスタイヤに交換できるか考えている女性

降雪地帯で必須のスタッドレスタイヤですが、カーリースを利用する場合、ノーマルタイヤから交換することはできるのでしょうか?

多くのリース会社はリース車両の改造やカスタマイズを禁止している

前提として、リース会社の多くはリース車両の改造・カスタマイズを禁止しています。その理由は次の通りです。

  • リース車両の所有権はリース会社にあるから
  • カーリースは契約満了時に車を原状回復して返却するのを原則としているから

カーリース利用者は、あくまでリース会社が購入した車両を借用している立場です。そのため、最終的に車がもらえるプランや改造OKなリース会社を除き、基本的には利用者が勝手に改造やカスタマイズしてはいけないことになっています。

ここで問題となるのが、スタッドレスタイヤへの交換は改造・カスタマイズにあたるのかという点です。

スタッドレスタイヤへの交換は可能

リース車両のノーマルタイヤをスタッドレスタイヤに交換するのは改造・カスタマイズに該当しません。他の消耗品同様、スタッドレスタイヤは安全に走るために欠かせないものなので、タイヤ交換は改造・カスタマイズというよりメンテナンスとして考えられます。

そのため、利用者自身でスタッドレスタイヤに交換しても問題ありません。

カーリース車両のスタッドレスタイヤ交換のやり方、交換時期は?

スタッドレスタイヤへの交換作業

リース車両のスタッドレスタイヤの交換方法は、各リース会社や契約するプラン・オプションなどによって異なります。

リース会社の提携整備工場に依頼する

リース会社が整備工場と提携している場合は、その整備工場に依頼することでスタッドレスタイヤに交換してもらえます。

リース会社の自社整備工場で交換してもらう

リース会社の中には、自社の整備工場を保有している場合もあります。その場合は別の会社へ依頼する手間が省けますし、タイヤ交換時期になると連絡をしてくれる会社もあるので、交換し忘れの心配もありません。

カー用品専門店等に依頼して交換してもらう

自社整備工場を持っていなかったり提携している整備工場がなかったりする場合は、カー用品専門店等でスタッドレスタイヤを購入して、交換依頼をします。タイヤ交換は次のような場所で依頼できます。

  • カーディーラー
  • サービスステーション
  • カー用品専門店
  • タイヤ専門店

自分で交換する

カー用品店でスタッドレスタイヤを購入して、自分で交換することも可能です。交換自体は慣れてしまえば一人でもできますが、以下のような注意点があります。

  • 交換時にはジャッキやクロスレンチなどの専用工具を使う
  • 作業時は比較的広いスペースで行う必要がある
  • 大きい車はタイヤも重い

ノーマルタイヤからスタッドレスタイヤへの交換時期は?

ノーマルタイヤからスタッドレスタイヤの交換は、どのタイミングで行うべきでしょうか?

雪が降り始めたら交換する、という人もいます。しかし、路面は5度~7度程度を下回ると凍結が始まる可能性があるので、天気予報を見て5~7度を下回りそうであれば、事前に交換しておくのがおすすめです。

「スタッドレスタイヤは雪国で使うもの」とイメージしている人もいるかもしれませんが、上記のように雪が降らない地域でも凍結によるスリップが起きる可能性は十分あります。最近の冬場は都心などでも気温が5度を下回る日もあるので、必要であれば雪国以外の地域でもスタッドレスタイヤは装着すべきです。

逆に、冬が終わり5度~7度を上回る日が続くようであれば、スタッドレスタイヤからノーマルタイヤへ交換することも忘れないでください。スタッドレスタイヤを冬以外のシーズンに使用した場合、次のようなリスクが生じるおそれがあります。

  • 雨の路面でスリップする危険がある
  • ブレーキをかけてもなかなか止まれない
  • コーナリング時に曲がりきれない
  • 燃費が悪くなる
  • タイヤの劣化が適正使用時と比べて短くなる
  • バーストする危険性が高まる

ノーマルタイヤ、スタッドレスタイヤはそれぞれ適正使用環境が異なるので、必ず時期によって使い分けましょう。

カーリース車両のスタッドレスタイヤ交換費用はいくら?

スタッドレスタイヤの交換費用

カーリース車両のノーマルタイヤをスタッドレスタイヤに交換する費用は、基本的に利用者が支払います。

ただし、スタッドレスタイヤ交換を含むメンテナンスプランに加入している場合は、リース料金にタイヤ代・交換費用が含まれているため、交換時に別途料金を払う必要はありません。詳しくみていきます。

タイヤ交換に関する契約がない場合の交換費用

カーリース契約にタイヤの費用が含まれていない場合は、利用者自身がタイヤ代とタイヤ交換費用を払う必要があります。スタッドレスタイヤ代はブランドや商品、タイヤサイズ等によって大きく異なりますが、安いもので1本5,000円~10,000円程度、4本セットで20,000円~40,000円となります。

交換費用は、交換依頼場所によっても変わります。カーディーラーへの依頼費用は高い傾向にありますが、ガソリンスタンドやカー用品専門店なら安く抑えられます。カー用品専門店で購入してそのまま交換依頼をした場合、1本あたり1,000円~1,500円程度で交換してもらえます。タイヤ4本の代金と合わせると、最安で約25,000円~45,000円程度です。

自社整備工場を持つリース会社なら交換費用が安くなる可能性がある

自社整備工場を持つリース会社の場合、他業者へ依頼する場合と違って仲介手数料が発生しない分、料金も安くなる可能性があります。

メンテナンスリースやオプションに加入していれば交換費用はかからない場合も

リース会社によっては、カーリースの月額料金に車両代だけでなくタイヤを含めた消耗品の交換費用なども含む「メンテナンスリース」を提供している場合もあります。また、タイヤ交換を含む「メンテナンスオプション」が用意されている場合もあります。

そのようなプラン・オプションに加入していれば、リース料金内にタイヤ代や交換費用も含まれるので、交換時に別途費用はかかりません。月ごとの支出をできるだけ均等にしたい方は、タイヤ交換を含むメンテナンスプランへの加入も検討してみてください。

また、コスモMyカーリースのように、スタッドレスタイヤ代を月々のリース料に含められる会社もあります。

カーリース利用時に知っておくべきスタッドレスタイヤの基礎知識

スタッドレスタイヤとノーマルタイヤ

ここではカーリースでスタッドレスタイヤを使う際に知っておいてほしい、スタッドレスタイヤの基礎知識をお伝えします。事故防止にもつながるので、ぜひ一読しておいてください。

スタッドレスタイヤを履くべき理由とは?

スタッドレスタイヤを履く理由は、凍結路や雪道でも安定した走行ができるようにするためです。

また、安全運転義務違反にならないようにするためでもあります。多くの都道府県では、ノーマルタイヤで雪道を走ることを道路交通法に基づく法令で禁止しています。違反した場合、違反点数は付きませんが、普通車で6,000円の反則金が科せられます。

違反しないためというのはもちろんですが、ノーマルタイヤで凍結路や雪道を走るとスリップして交通事故を引き起こす危険性が高まるので、地域・時期に合ったタイヤを履くことが大切です。

なぜノーマルタイヤでは滑ってしまうのか?スタッドレスタイヤが雪道で滑らない仕組み

そもそも、なぜノーマルタイヤは雪道で滑ってしまうのでしょうか?

雪が降ったり気温が低下したりすると、道路上に氷が張ることがあります。氷が溶けると、その上に水の膜が発生します。この水の膜が、凍った路面とタイヤの間に入ることで滑ってしまうのです。

一方、スタッドレスタイヤは、凍結路上に発生した水の膜にタイヤが入ってしまわないように以下のような工夫が施されています。

  • タイヤの溝が深くなっている(スタッドレスタイヤ約10mm/ノーマルタイヤ約8mm)ほか、「サイプ」と呼ばれる細かい溝が刻まれていることでグリップ力が上がっている
  • 低温下でもタイヤを柔らかい状態に保つ材質が使われており、タイヤ表面が道路の凹凸に密着することで摩擦力が高まっている
  • タイヤ自体が水を吸収するようになっており、水膜を取り込み除去できるようになっている

スタッドレスタイヤの寿命は?

スタッドレスタイヤの平均寿命は約3年~4年といわれています。走行距離換算では1万km~1万5,000km程度が交換の目安です。

スタッドレスタイヤを盲信するのは危険!事故を起こさないための工夫

スタッドレスタイヤは、ノーマルタイヤと比べて雪道等で滑りづらいことはたしかです。

しかし、絶対に滑らないか?といわれれば、そんなことはありません。過剰なスピードで運転する、急停止・急発進するといった運転をしていた場合、どんな優れたタイヤでも滑ってしまう可能性はあります。

そのため、スタッドレスタイヤを履いているからといって安心するのではなく、冬場は次のようなポイントを意識して運転することが大切です。

  • スピードを抑えて走る
  • 急発進・急停車をしない
  • 停車時は、止まりたい位置のなるべく後方から複数回に分けてブレーキを踏む
  • 路面凍結が起きやすい場所はなるべく走らないようにする(例:日の当たらない場所、橋の上、トンネルの出入り口、交差点付近)
  • スタッドレスタイヤが摩耗したら必ず交換する

カーリース利用時の車種選びでは、雪道に強い4WD仕様の車を選ぶこともおすすめです。

心配な方はカーリース専用任意保険への加入検討も

降雪地帯などに住んでいる方は、スタッドレスタイヤを履いてどれだけ慎重に運転していても、スリップ等で事故を起こしてしまう可能性は0ではありません。

一般的なカーリースには任意保険が含まれておりません。自賠責保険のように強制加入ではありませんが、万が一のことを考えると任意保険にも加入しておきましょう。特に、事故が心配な方はカーリース専用任意保険がおすすめです。

もし事故で車が全損してしまった場合、カーリースの契約は強制解除となり、契約満了までのリース料金相当額を中途解約金として一括で支払わなければいけません。一般的な任意保険の場合、中途解約金の全額をカバーできず、一部を利用者が支払わなければいけないこともありますが、カーリース専用保険であれば、多くのケースで全額をカバーできます。

また、一般的な任意保険は1年ごとの更新ですが、カーリース専用保険はリース期間に合わせた契約年数にすることが可能です。契約期間が長いほど保険料総額は下がるので、毎月の支払いを抑えられるかもしれません。

まとめ:リース車両のスタッドレスタイヤは交換可能

スタッドレスタイヤへ交換中の男性

カーリースの車両は、スタッドレスタイヤへ交換することが可能です。交換方法はリース会社によって異なりますが、主に次のいずれかです。

  • リース会社の提携整備工場に依頼する
  • リース会社の自社整備工場で交換してもらう
  • カー用品専門店等に依頼して交換してもらう
  • 自分で交換する

交換費用は、タイヤ代とあわせて最安で4本25,000円程度からです。交換時期は、路面の凍結が始まる気温5度~7度を目安にしてください。ノーマルタイヤ装着状態で凍結路や雪道を走るとブレーキが利かず事故を起こしてしまう危険があるので、時期がきたら必ずスタッドレスタイヤに交換しましょう。

竹内一生

【プロフィール】
竹内 一生2016年より専業Webライターとして活動開始。企業のWebメディアでSEO記事を中心に執筆中。一次情報を元にした正確な情報収集、ペルソナが求める情報の抜粋、読みやすく簡潔な文章作成を得意とする。車関連では、エイチームの「ナビクルcar」で2年の執筆経験あり。

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