カーリースでタイヤ交換が必要なときは?費用や交換の対応方法を解説

カーリース中にタイヤ交換をしなければいけないときはどうすればよいのでしょうか。カーリース会社と契約者、どちらが費用を負担しなければいけないのか、また、タイヤ交換にかかる費用や対応方法についてご紹介します。

カーリース中のタイヤ交換に必要な費用は?

カーリースのタイヤ交換に必要な費用

月々定額で希望の車に乗れるカーリースは、まとまった出費を抑えられるのが大きな魅力です。ただし、安心して乗り続けるためには、定期的なメンテナンスはしっかり行わなければいけません。

カーリース中にタイヤ交換が必要になったら、契約内容によりカーリース会社と契約者のどちらが負担するかが異なります。基本的にカーリースのプランは「メンテナンスリース」と「ファイナンスリース」の2種類に分けられ、それぞれのプランによってタイヤ交換の対応方法が異なるので見ていきましょう。

「メンテナンスリース」はタイヤ交換も含まれている場合がある

「メンテナンスリース」は、車両の購入費や初期整備費、自動車税や自賠責保険に加え、メンテナンス(定期点検や車検、エンジンオイルやバッテリーなどの消耗品交換等)も含まれているプランです。月々支払う費用は「ファイナンスリース」より高くなりますが、消耗部品の交換時期管理や整備工場の手配なども全てリース会社が行ってくれるため、契約者は車を所有する負担を軽減できます。

タイヤ交換が「メンテナンスリース」に含まれるかどうかは、リース会社によって異なります。

当然ながら、タイヤ交換がメンテナンス対象に含まれていなければ、契約者自らタイヤの状態を管理し、適切な時期に交換しなければいけません。

反対に、タイヤ交換もメンテナンス対象に含まれているのであれば、契約者はタイヤ交換の手配や費用の負担はありません。ただし、基本的にタイヤの種類はリース会社指定のものになりますので、希望のタイヤを選択できない点には注意が必要です。

このように「メンテナンスリース」では、リース会社によってタイヤ交換の対応が異なるため、契約前にプランの内容をしっかり確認しておく必要があります。

「ファイナンスリース」だと別途でタイヤ交換費用が必要

「ファイナンスリース」は車両の貸し出しのみを行うプランで、リース会社は車両の購入費や初期整備費、自動車税や登録時の自賠責保険のみ負担します。車の維持に必要なメンテナンスなどが含まれていないため、月々支払う費用を抑えられますが、車検や消耗品の交換、突発的なトラブルなどは全て自分で対応しなければいけません。

「ファイナンスリース」ではタイヤ交換に対応していないため、交換費用は契約者が負担することになりますが、タイヤやホイールが自由に選べたり、自宅近くの整備工場で交換できたりするメリットがあります。

タイヤ交換費用の内訳

カーリース中にかかるタイヤ交換費用の内訳

「ファイナンスリース」や、タイヤ交換が含まれていない「メンテナンスリース」を選んだときは、タイヤ交換費用を負担しなければいけません。

タイヤ交換に必要な費用は、

  • タイヤ本体
  • 作業手数料

の2つに分けられます。

タイヤ本体の価格はタイヤの種類やサイズやブランドによって異なりますが、平均的な相場は1本3,000~50,000円となります。ネットで販売されている格安の輸入タイヤであれば1本3,000円ほどで手に入りますが、ブリヂストンやミシュランなどの大手タイヤメーカーが販売しているブランドタイヤになると、1本20,000~50,000円ほどの値段になります。

また、整備工場や販売店でタイヤ交換を行う場合は、作業手数料が必要になります。作業手数料は1本1,000~5,000円が相場となります。軽自動車用などの脱着がしやすいタイヤであれば値段が安くなり、反対にサイズが大きなタイヤや、取外しが難しいホイールを装着していると値段が高くなります。

カーリース中にタイヤ交換をしないとどうなるの?

カーリース中にタイヤ交換をしないとどうなる?

唯一地面に接する部品であるタイヤは摩耗や劣化による性能低下が起こるため、定期的に交換をしなければいけません。もしタイヤ交換をしなければ、どのようなことが起きるのでしょうか。

車検に通らない

タイヤの残り溝は「道路運送車両法」によって1.6mm以上と定められています。そのため、残り溝が1.6mm未満の状態であると「整備不良」として扱われ、車検に通すことができなくなります。この状態で走行を続けると、車両の種類に関係なく違反点数2点、罰金9,000円(普通車)が課せられます。

交通事故につながる

タイヤはゴムでできているため、時間と共に摩耗や硬化が進み、本来持つグリップ力が損なわれていきます。そうなると制動力が大きく低下し、ブレーキの制動距離が伸びたり、雨の日にスリップしやすくなったりと、交通事故に繋がる危険が出てきます。また、摩耗や硬化が進んだタイヤのまま高速道路を走行すると、突然タイヤが破裂する「バースト」が起こる可能性も高まります。

乗り心地や燃費が悪くなる

タイヤは全体がしなることで路面のショックを吸収する構造となっています。また、「トレッド」と呼ばれる路面と接地する部分には、乗り心地や燃費が向上するようなパターンが刻まれています。摩耗や硬化が進んだタイヤはゴムが硬化し、パターンも消えているため、乗り心地や燃費性能が悪くなります。

カーリース中にタイヤ交換をするタイミングは?

カーリース中のタイヤ交換タイミング

タイヤ交換のタイミングが遅れると、安全性や乗り心地などに大きな影響を及ぼします。しかし、だからといってあまりにも交換するタイミングが早すぎると、経済的な負担が大きくなるばかり。一般的にタイヤの交換タイミングは新品装着から4〜5年、走行距離30,000〜50,000キロと言われていますが、使用状況や環境によって大きく左右されるため、一概には言い切れません。

では一体、どのようなタイミングで交換すればよいのでしょうか。

スリップサインが見えたとき

摩耗具合は「スリップサイン」が見えたかどうかで判断できます。「スリップサイン」は、タイヤの使用限界である残り溝が1.6mmになると、サイド部分にある「△」マークの延長線上の溝に現れます。タイヤの摩耗は均一に進むとは限りませんので、1カ所でもスリップサインが現れたら、交換タイミングだと考えるようにしましょう。

ひび割れや擦り傷が見えたとき

タイヤのゴムは経年劣化と共に油分が抜けていき、表面に細かなひび割れが現れます。この状態は既にタイヤの硬化が進んでいる証拠。本来持っている性能を引き出すことができません。また、タイヤに擦り傷があると、走行中にダメージが蓄積していき、パンクやバーストが発生する危険があります。そのため、タイヤ全体を見渡し、ひび割れや擦り傷を見つけたらすぐに交換するようにしましょう。

走行中に違和感があるとき

タイヤに異変があると、いつもより走行音が大きかったり、ハンドルを切った際にふらついたり、ブレーキが効きにくかったりと、違和感として現れることもあります。走行中に少しでもおかしいと感じたら車を停止し、タイヤを確認するようにしましょう。

雪道や凍結路を走行するとき

雪道や凍結路を通常の夏タイヤで走行するのは大変危険であるため、スタッドレスタイヤに交換する必要があります。スタッドレスタイヤへの交換となると、新しくタイヤを購入しなければいけません。

カーリース中にスタッドレスタイヤへ交換するときはどうすればいいの?

カーリース中のスタッドレスタイヤへの交換

雪上や氷上での走行を前提として作られているスタッドレスタイヤ。夏タイヤと比べて表面が柔らかいため、長期間履き続けると大きく摩耗が進んでしまいます。そのため、積雪や凍結のある地域にお住まいの方は、季節に応じて年2回(雪が降り出す冬前と暖かくなる春前)の履き替えが必要になります。

しかし、スタッドレスタイヤへの交換となると、タイヤの購入費用や作業工賃、保管場所などの問題が出てきます。カーリースの場合は一体どうすればいいのでしょうか。

スタッドレスタイヤの寿命は3~4年

スタッドレスタイヤの寿命は新品製造時から3~4年と、夏タイヤと比べて短めとなります。これは低温でも弾力が維持できるように特殊な材質のゴムが使用されていたり、氷の上でも路面を掴めるように「サイプ」と呼ばれる細かな切れ込みが入っていたりと、雪道や凍結路でもグリップを発揮するような構造となっているからです。

プランによってはスタッドレスタイヤへの交換・保管も無料で行ってくれる

スタッドレスタイヤへの交換も対象とされているプランを契約しているのであれば、リース会社が取り外したタイヤやホイールの保管を無料で行ってくれることがあります。また、冬になる前に自宅にハガキが届き、指定の整備工場でスタッドレスタイヤへの交換を案内してくれるところもあります。

ただし、リース会社やプランによってはスタッドレスタイヤへの交換は別途料金が必要になることもあるため、契約前に確認しておく必要があります。

自分で用意するとホイールも保管場所も用意する必要がある

「ファイナンスリース」やタイヤ交換適応外の「メンテナンスリース」を契約しているのであれば、スタッドレスタイヤの購入や交換、保管は全て自分で行わなければいけません。スタッドレスタイヤの値段は1本4,000~50,000円と夏タイヤと同等の値段ですので、経済的な負担も少なくありません。また、取り外したタイヤやホイールは自分で保管しなければいけないため、保管スペースも必要になります。

カーリース中にタイヤがパンクしたらどうするの?

カーリース中にタイヤがパンクしたときの対処法

どれだけタイヤの管理をしていても、予期せぬトラブルは避けられません。ここでは、カーリース中にタイヤがパンクしたときの対応方法についてご紹介します。

走行中にパンクしたらまずは安全なところに停車しましょう

走行中にタイヤがパンクすると、異音やハンドルの振れなどが起こるため焦ってしまうかもしれませんが、落ち着いて徐々に速度を落とし、安全なところに停車しましょう。そして停車させたら、後続車に危険を知らせるためにハザードランプを点滅させます。

契約プランによっては専用のロードサービスで対応してくれることもある

リース会社や契約プランによっては走行中のパンクに対してロードサービスで対応しているところもあります。その場合は、停車したらリース会社に連絡しましょう。ただし、「メンテナンスリース」でもパンクなどの突発的なトラブルについては対応外としているところも珍しくありませんので、契約時に確認しておく必要があります。

自動車保険のロードサービスやJAFに救援を依頼する

リース会社のロードサービスが利用できないときは、任意保険やクレジットカードの特約やJAFのロードサービスを利用して対応しましょう。ロードサービスによってはその場でタイヤ交換を行ってくれるサービスもあるため、旅行や出張が多い方は事前にサービス内容も把握しておきましょう。

コスモMyカーリースならタイヤ交換込みのプランも選べる

コスモMyカーリースでタイヤ交換になったときは

「ゴールドパック」にはタイヤ交換費用も含まれている

コスモMyカーリースのリースプラン「ゴールドパック」には、メンテナンス内容にタイヤ交換も含まれているため、自分でタイヤ交換する時間が取れない方や、免許を取ったばかりの方でも安心。指定の工場で定期点検を行う際にタイヤの残り溝も一緒に確認し、規定値より摩耗が進んでいると判断したタイミングで交換を行ってくれます。また、リース中にタイヤの摩耗に気付いたら、指定の工場に車を持っていけば担当者が確認してくれます。

自分でタイヤ交換する人には「シルバーパック」や「ホワイトパック」もおすすめ

自分でタイヤ交換してリース費用を抑えたいと考えている方や、好きなタイヤを装着したいと考えている方には、タイヤやワイパーなどの長期的に交換が必要な部品を対象外とした「シルバーパック」や、メンテナンス無しの「ホワイトパック」がおすすめです。両プランとも「ゴールドパック」と比べて月々のリース費用が低く設定されていることに加え、契約期間中のガソリン値引きはどのプランも適応されます。

まとめ:カーリース中のタイヤ交換は自分に合った方法で行おう

カーリース中のタイヤ交換は自分に合ったプラン選びから

カーリース中のタイヤ交換は、リース会社によって対応してくれるところとそうでないところに分かれます。タイヤ交換も含まれているリースプランを選べば、定期点検時に無料で行ってくれるため、タイヤ交換時の手間や費用は必要ありません。

反対に、タイヤ交換が含まれていないプランを契約すれば、リース費用が抑えられ、月々の負担は軽減されます。

それぞれのプランによってメリットは異なりますので、タイヤ交換も含めてご自身に最適なリースプランを選ぶようにしましょう。

森中忍

【プロフィール】
森中 忍大手自動車製造会社(本田技研工業)で正社員として9年勤務。その後WEBライターとして独立。自動車・バイクジャンル特化ライターとし活動を行う。(現在ライター歴5年)

お役立ちコラム一覧へ