法人向けカーリースとは?どのようなメリットがある?

カーリースには個人の契約だけでなく法人名義での契約もあります。しかし、なぜ2つに分けられているか疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回の記事では、法人向けカーリースと個人向けカーリースの違いや法人向けカーリースのメリットなどをご紹介します。

カーリースの法人と個人の違いは価格とプランの数

経費を計上している様子

個人向けのカーリースは、契約者の様々な生活スタイルや用途に合わせられるよう豊富なプランが用意されていて、料金的にも負担が少なく設定されています。一方、法人向けのカーリースは事業目的で自動車を使用することを想定しているので、プランの数が少ない傾向にあります。また事業用のトラックなどは車体価格が高額なので、リース料金も高く設定されています。

しかし、自動車購入に比べて初期の資金負担がなく、リース費用をそのまま経費として計上できます。会計業務がスムーズに行え、節税効果も期待できます。

個人事業主はカーリースがおすすめ

個人事業主は、カーリースを個人で契約すべきか法人で契約すべきか判断に迷うかもしれませんが、個人事業主で法人口座を持っていて法人で契約できる場合でも、個人名義での契約をおすすめします。

大きな理由は、以下のとおりです。

  • 法人名義で審査を受けると会社の規模や収益の安定性が基準になる
  • 法人は、審査時に決算書や確定申告書などを提出する必要がある

個人名義の契約でも、リースした車を業務用として利用した場合は、リース費用を経費として計上できます。私用と業務用の両方で利用したとしても、業務で使った分を経費として計上できるので、個人で契約しても十分節税効果が期待できます。

法人向けカーリースのメリット

リース車両の整備をする様子

法人向けカーリースのメリットは、以下のとおりです。

  1. 1. 車両の管理が楽
  2. 2. 経費の管理が楽
  3. 3. メンテナンスが楽
  4. 4. 節税効果が高い
  5. 5. 初期費用や登録費用が不要
  6. 6. サポートが充実
  7. 7. 好きなナンバープレートにできる

上から順番に説明していきます。

メリット①:車両の管理が楽

法人向けカーリースは、車両の管理が楽な点がメリットです。

大きな事業所で何台も車を所有する場合、車両台数の把握や入れ替えは大変です。しかし、カーリースのメンテナンスプランを契約することで、リース車の管理をカーリース会社に任せることもできます。

また、仕事でトラックや作業車を利用する場合でもカーリースを利用できます。最短1年で乗換えや返却ができるので、仕事量に合った車両の入れ替えも手軽にできます。

車両管理の手間を省くなら、カーリースのメンテナンスプランがおすすめです。

メリット②:経費の管理が楽

経費の管理が楽なことも、法人向けカーリースのメリットです。

法人が現金で車を購入する場合は、固定資産の減価償却を行う必要があります。ほかにも、車検費用、メンテナンス費用、保険料といった会計上での管理もあるので、経理上でも手間がかかります。

一方のカーリースは、リース会社がリース車を所有していることから、契約者側が固定資産の経費などを計算する必要はありません。月々のリース料さえ把握していれば、特に問題ないのです。

以上の理由から、経理の管理を楽にするなら法人向けカーリースがおすすめです。

メリット③:メンテナンスが楽

メンテナンスが楽な点も、法人向けカーリースのメリットです。

従業員やお客さんの安全を守るためにも、社用車のメンテナンスや点検は欠かせません。車を現金で購入すると、車検や整備のたびに出費がかさんでしまいますし、スケジュール管理も発生します。

しかし、カーリースのメンテナンスプランを利用すれば、メンテナンスや点検に必要な費用は定額になるうえ、資金計画も立てやすくなります。カーリース会社と提携するディーラーや整備工場を利用するので、自分でお店や工場を探す手間もかかりません。

社用車のメンテナンスの手間を省くなら、法人向けカーリースをおすすめします。

メリット④:節税効果が高い

節税効果が高いことも、法人向けカーリースのメリットです。

法人向けカーリースであれば、全額経費計上できるからです。支払額も一定なので、法人向けカーリースなら経費計上漏れの心配もありません。

一方、カーローンで車を購入する場合は、経費にできるのはローンの支払利息だけです。元金は借入金や未払金になってしまうので、カーリースのように毎月の支払いを経費として計上することはできません。

大きな節税効果を得るのであれば、法人向けカーリースをおすすめします。

メリット⑤:初期費用や登録費用が不要

初期費用や登録費用が不要なことも、法人向けカーリースのメリットです。

社用車を現金で購入すると、車両本体価格のほかに自動車税や登録費用、リサイクル料金、納車費用、自賠責保険料などの初期費用が必要となり、大きな負担であるといえます。

また、カーローンでの購入は頭金を必要とする場合が多く、やはりこちらも初期費用がかかります。

しかし、法人向けカーリースならすべて月額のリース料に含まれていることから、初期費用を用意することはないのです。

したがって、初期費用や登録費用を別に支払いたくないなら法人向けカーリースをおすすめします。

メリット⑥:サポートが充実

サポートが充実していることも、法人向けカーリースのメリットです。

リース契約期間はリース会社のサポートを利用できるので、気軽に契約することができます。

契約前の社用車選び、オプションや契約内容の相談はもちろん、納車後にも定期点検や車検、日常の疑問や気になるトラブルなども相談に乗ってもらうことができます。

車に詳しくない人も、法人向けカーリースがおすすめです。

メリット⑦:好きなナンバープレートにできる

好きなナンバープレートにできることも、法人向けカーリースのメリットです。

カーリースは、カーシェアやレンタカーのように「れ」や「わ」といった区分されたナンバープレートではありません。現金やカーローンで購入した社用車と同様に、通常のナンバープレートを使用できます。

リース会社によっては希望ナンバー、ご当地ナンバー、オリンピック仕様のような特別なナンバープレートの取得も可能です。

借りている車と分かるのが嫌な人にも、法人向けカーリースをおすすめします。

法人向けカーリースのデメリット

リース車両の査定をする様子

法人向けカーリースのデメリットは、以下のとおりです。

  1. 1. 中途解約は違約金が発生する
  2. 2. 走行距離制限がある
  3. 3. 返却時の原状回復

上から順番に詳細を説明していきます。

デメリット①:中途解約は違約金が発生する

法人・個人に限らず、カーリースは中途解約で違約金が発生する点がデメリットです。

カーリースは総額をリース期間で割って算出していることから、リース期間内の解約は認められていません。例外として契約者の死亡、長期入院、ケガなどで認められることもありますが、違約金が発生してしまうのです。

違約金の金額はカーリース会社によって異なりますが、「残りの契約期間のリース料金総額」である場合がほとんどです。たとえば、7年契約で月額2万円のカーリースを5年で解約した場合は、残り2年分の料金である48万円を一括で支払う必要があります。

大きな持病があるなど、中途解約のリスクがある場合はリース期間の短いプランのあるカーリース会社をおすすめします。

デメリット②:走行距離制限がある

多くのカーリースは、走行距離制限がある点もデメリットです。

リース契約が終わったあとのリース車両は、基本的にはリース会社に返却することになります。一般的に車の価値は年式や走行距離で決まるため、契約時の残存価額(リース契約後の予想車両価格)を下回らないように、走行距離制限が設けられているのです。

定めた走行距離を超過すると、返却時に追加料金を請求されることもあります。

走行距離はカーリース会社によって違いますが、月1,000km前後で設定されることが一般的です。たとえば、超過1kmにつき10円の請求の場合、1万kmオーバーすると10万円の追加費用が発生します。

カーリース契約前は、社用車の利用頻度から1カ月あたりの走行距離を割り出して、少し余裕のある走行距離で設定できるカーリース会社を探しましょう。

デメリット③:返却時の原状回復

返却時の原状回復がある点も、法人向けカーリースのデメリットです。

規定を超えた大きさのキズや凹みは修復が必要なほか、カーナビなど後付けした機器類も取り外さなければなりません。

原状回復で発生する費用は契約者の負担であり、車の状態によっては高額になることもあるでしょう。

リース契約後の原状回復費用が不安な場合は、補償のある任意保険を選ぶことで解消することもできます。

法人向けカーリースを選ぶ際のポイント

カーリース会社のコールセンター

法人向けカーリースを選ぶ際のポイントは、次のとおりです。

  1. 1. 事業に合った車種やグレードである
  2. 2. メンテナンス込みのプランである
  3. 3. サポートが充実している

上から順番に見ていきましょう。

ポイント①:事業に合った車種やグレードである

1つめのポイントは、車種やグレードです。

社用車は事業の用途や目的にあったものを選ばないと、使いにくいこともあります。また、カーリース会社によっては選べる車種が少ない場合もあります。

メーカー、車種、グレード、新車と中古車どちらも選べるなど、選択肢の多いカーリース会社にすることで事業に合った車がみつかりやすくなるでしょう。

たとえば、会社が軌道に乗るまでは中古車でリース料を安く抑えたいなど、事情に合わせて車を選ぶことが重要です。

上記のように計画性をもって車を選ぶことで、毎月の負担を最小限にすることができます。

ポイント②:メンテナンス込みのプランである

2つめのポイントは、カーリース会社のプランです。

多くのカーリース会社の通常プランは、メンテナンスといってもオイル交換くらいしか含まれていません。しかし、中にはワイパーやブレーキパッドといった消耗品の交換も含んだプランを選べるカーリース会社もあります。

メンテナンス込みのプランを選ぶことで、急な出費を抑えることができます。中古車をリースする場合などは、メンテナンス込みのプランにすることで安心して利用できるでしょう。

ポイント③:サポートが充実している

3つめのポイントは、サポート体制です。

上記のようにメンテナンス込みのプランを契約していても、修理工場が近隣にない場合などは不便です。

どの地域にも支店があって、いつでも対応してもらえるような窓口のあるカーリース会社を選ぶことで、万が一のトラブル発生時も安心です。

まとめ:法人はカーリースがおすすめ

カーリースをおすすめする女性

法人には、カーリースの利用をおすすめします。

購入ではできない全額経費の計上があるため、節税効果が高いからです。年間にするとかなり大きな金額になるうえ、カーリース会社によってはリース期間満了後に購入することもできます。

しかも、車両の管理も楽になるので、省人化による人件費の削減にもつながります。

社用車の管理簡素化や節税効果を期待するのであれば、ぜひ法人向けカーリースをご検討ください。

近藤大助

【プロフィール】
近藤 大助自動車メディアでの執筆経験は約5年。エイチームの「ナビクルcar」や「トヨタの中古車アプリ・remobii」の記事のほか、八重洲出版のバイク専門誌「モーターサイクリスト」、中古車ガリバー、Keeper Proといった大手の出版社や企業の記事を執筆。「Yahoo!ニュース」掲載経験あり。

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