カーリースを利用するときは、ぜひ任意保険にも加入しよう!

カーリースを利用する場合は、自動車保険への加入をおすすめします。では、自動車保険に加入する場合、どのような補償が必要なのでしょうか。また、カーリースの月々の料金に、自動車保険の保険料は含まれるのでしょうか。

カーリースの月額料金に自動車保険の保険料は含まれる?

カーリースのプランに任意保険は含まれている?

カーリースの月々の料金には、車両そのものの費用以外に自動車税や自動車重量税、車の登録にかかる費用なども含まれています。また、メンテナンスつきのカーリースを選べば、車検費用やそのほかのメンテナンスにかかる費用もリース料金に含まれます。では、月々のリース料金に自動車保険の保険料は含まれるのでしょうか。

自賠責保険はカーリースの月額料金に含まれる

自動車保険には、大きく分けて「自賠責保険」と「任意保険」の2種類があります。このうち、自賠責保険は、「強制保険」とも呼ばれ、すべての車に加入が義務づけられている保険です。自家用の乗用車の場合、自賠責保険は2年(初回は3年)ごとに車検と同じようなタイミングで更新が必要です。自賠責保険に加入していない車は公道を走行してはいけませんし、もし、保険に未加入の車を走行させると、法律違反となってしまいます。

カーリースの場合、自賠責保険の保険料はリース料金に含まれています。カーリースなら、自賠責保険の加入手続きや更新手続きをリース会社が代行してくれるので、「自賠責保険に加入し忘れたまま車を運転してしまった」という事態を防ぐことができて安心です。

一般的にカーリースの月額料金に任意保険は含まれない

車両本体価格と税金、プランによってはメンテナンス費用も月々のリース料金に含めることができるカーリース。しかし、任意保険の保険料は月々のリース料金に含まれないことが一般的です。カーリースを利用する場合、任意保険は別途加入が必要となりますのでご注意ください。

カーリースに任意保険は必要?

カーリース利用中の事故に備えるために保険は大切

自賠責保険だけでなく、任意保険で事故に備えよう

カーリースの料金には自賠責保険の保険料が含まれています。そのため、「自賠責保険に入っているなら、わざわざ任意保険に加入しなくてもよいのでは...?」と考える方もいるかもしれません。カーリースを利用する場合、任意保険は必要なのでしょうか。

結論から言うと、リース車でもマイカーでも、車に乗り始めたら任意保険にはぜひ加入するべきです。なぜなら、自賠責保険の補償内容は非常に限定的なものであるためです。

自賠責保険の補償内容とその限度額は、次の通りです。

  • 事故の相手のケガの治療費や休業補償、慰謝料など(被害者1人につき120万円まで)
  • 事故の相手に後遺障害を負わせたときの慰謝料など(被害者1人につき4000万円まで※障害の程度により限度額は異なる)
  • 事故の相手を死亡させたときの慰謝料や葬儀費など(被害者1人につき3000万円まで)

以上からわかるように、自賠責保険で補償されるのは、事故の相手の死亡やケガに対してのみ。自分自身や同乗者の死亡やケガ、事故で壊れた物に対する補償は一切ありません。また、実際の交通事故では、自賠責保険の限度額を超える慰謝料が請求されるケースもあります。

自賠責保険の補償内容は決して十分なものではありません。そのため、足りない補償を補うために任意保険が必要なのです。カーリースの利用を始めたら、ぜひ任意保険に加入しましょう。

リース車の傷やヘコミの修理費は、契約者の負担になる

カーリースでは、基本的に、契約期間が終わったら車を返却することになっています。リース車を返却する際は、借りたときと同様の状態にしておくのがルール。そのため、リース中に事故で車に傷やヘコミができてしまったときは、きちんと修理を行わなくてはなりません。

カーリースの場合、車の修理費は契約者が負担することになっています。傷の程度によっては、車の修理費がかなり高額になることもあります。車の修理費に備えるためにも、任意保険に加入しておくことをおすすめします。

リース車が事故で全損になるリスクに備えよう

「カーリースの契約中に、事故で車が全損になってしまった!」そんなとき、リース契約はどうなるのでしょうか。

実は、リース中に車が全損になると、その時点でカーリースは強制解約となってしまいます。全損事故による強制解約の場合、契約者は「違約金」として残りの期間のリース料金をまとめて支払わなくてはなりません。事故で車が使えなくなった上、多額の違約金も発生すると、契約者の負担は非常に大きなものとなります。

このようなときも、任意保険に加入していれば保険金で違約金をカバーできる可能性があります。カーリースを利用するときは、任意保険で全損事故のリスクに備えましょう。

カーリースの場合、任意保険の補償内容はどう選ぶ?

カーリース利用の際の保険選びに悩む夫婦

任意保険は、加入時に自分で必要な補償内容を選択し、その限度額を設定することになっています。そのため、任意保険に加入する際に「自分にどの補償が必要かわからない」「補償の限度額をいくらに設定するのが適切かわからない」と悩む方も多いでしょう。ここでは、カーリースの利用者が任意保険に加入する際の補償内容の選び方について解説します。

任意保険の基本の補償内容

リース車かマイカーかにかかわらず、任意保険に加入する際、「対人賠償保険」「対物賠償保険」「人身傷害保険」は選ぶのが基本であるとされています。

「対人賠償保険」とは、事故で相手を死傷させたときや後遺障害を負わせたときの治療費や慰謝料を補償するものです。相手のケガや死亡に対しては、自賠責保険でも補償の対象となっていますが、対人賠償保険に加入することで、自賠責保険の限度額を超える損害賠償額をカバーすることができます。

過去には、交通事故で後遺障害を負わせたことにより数億円もの損害賠償額が請求された例もあります。このような事態に備えるために、対人賠償保険の限度額は、「無制限」を選びましょう。

「対物賠償保険」は、事故により他人の物を壊したときの修理費などを補償する保険です。車同士の事故で破損させた相手の車のほか、ガードレールや家屋、電車などを破損させた場合も対物賠償保険の補償の対象となります。

破損させた物によっては、損害賠償額がかなり高額になるケースもあります。そのため、対物賠償保険の限度額も「無制限」を選ぶことが推奨されています。

「人身傷害保険」は、自分や同乗者が死傷したときの治療費や休業補償、葬儀費などを補償するものです。人身傷害保険の限度額は、「3000万円」または「5000万円」を選ぶことが一般的です。

カーリースの場合は、ぜひ車両保険をつけよう

任意保険の基本の補償内容は、「対人賠償保険」「対物賠償保険」「人身傷害保険」の3つ。しかし、これらの保険だけでは、事故で壊れた自分の車の修理費は補償されません。自分の車の修理費の補償を受けるためには、「車両保険」に加入する必要があります。

特に、カーリースの場合は、傷やヘコミの修理費や、事故で車が全損になったときの違約金に対する備えが必要です。車両保険に加入していれば、車が破損したときに保険金を受け取ることができるので、修理費や強制解約の違約金を保険金で賄うことができる可能性があります。カーリースをご利用の場合は、ぜひ車両保険にも加入しておきましょう。

任意保険込みのカーリースとは?メリット・デメリットもチェックしよう

保険料込みのカーリースについて知ろう

任意保険込みのカーリースもある?!

カーリースの月々の料金には、自賠責保険の保険料は含まれるものの、任意保険の保険料は含まれないことが一般的です。しかし、中には、任意保険の保険料がリース料金に含まれているものもあります。例えば、トヨタが運営するカーリース「KINTO」は、すべて任意保険つきのプランとなっています。

また、リース会社によっては、加入した任意保険の保険料を月々のリース料金に組み込むことができる場合もあります。例えば、コスモMyカーリースでは、リース専用保険を用意していて、一部店舗を除き、保険料をリース料金に含めることも可能です。「任意保険の保険料もリース料金に組み込みたい」という方は、まずは店舗に問い合わせてみてください。

任意保険込みのカーリースを選べば、保険料も月々定額にできる

任意保険の保険料が含まれているカーリースのメリットは、保険料も月々定額にできるということ。一般的なカーリースの場合、車両本体代金や税金などの諸費用は月々定額にすることができても、任意保険の保険料は別途支払う必要があります。任意保険の保険料は、1年分まとめて支払うことが一般的で、その金額は数万円以上となることがほとんど。そのため、任意保険の保険料を支払うためにまとまったお金を用意しておかなくてはなりません。

任意保険込みのカーリースなら、月々のリース料金に保険料も含まれるので、まとまったお金の用意は不要です。任意保険も含めて、車に関する月々の費用をずっと定額にできます。

任意保険込みのカーリースなら手続きが簡単!

任意保険込みのカーリースには、手続きが簡単になるというメリットもあります。一般的なカーリースの場合、リース契約とは別に任意保険の加入手続きも行わなくてはなりませんが、任意保険込みのカーリースなら、カーリースの契約を行えば、自動的に任意保険もついてきます。任意保険の加入手続きをする時間と手間を省くことができて便利です。

任意保険込みのカーリースなら、保険を使っても保険料は変わらない

任意保険では、「等級」というしくみが採用され、事故のリスクの大きさに応じて保険料が変化するようになっています。初めて任意保険に加入するときは、「6等級」からスタートし、1年間保険を使わなければ、翌年の等級は1つアップして「7等級」に。等級が上がるほど保険料は安くなっていきます。

普通、事故などで任意保険を使うと、等級はダウンして翌年の保険料は高くなってしまいます。しかし、任意保険込みのカーリースなら、リース期間中に保険を使っても保険料は変わりません。保険料が上がる心配がないので、安心して保険を使うことができそうです。

任意保険込みのカーリースの場合、保険会社や補償内容を自由に選べない?!

任意保険込みのカーリースでは、保険会社や補償内容があらかじめ決められていることが一般的です。「自分で任意保険を選ぶのが煩わしい」という方であれば、保険会社や補償内容が指定されていても特に不都合はないかもしれませんが、「保険会社にこだわりがある」「必要な補償内容を自分で選びたい」という場合は、カーリースと任意保険を別々に契約するほうがよいでしょう。

任意保険込みのカーリースでは、等級の引継ぎができないことも

先述の通り、任意保険には「等級」というしくみが採用されています。一般的には、保険会社を乗り換える場合でも、これまでの等級は引き継げることになっています。

しかし、任意保険込みのカーリースを利用する場合は、これまでに自身で契約していた任意保険があっても、等級を引き継げないことがあります。等級の引継ぎができず、これまでより等級が下がると、保険料が高くなってしまいます。「任意保険込みのカーリースだと、保険料が高く感じる」「これまで自分で加入してきた任意保険の等級を使いたい」という方は、任意保険込みのカーリースではなく、通常のカーリースを契約し、任意保険には別途加入するほうがよさそうです。

まとめ:カーリースを利用する際は、任意保険でリスクに備えよう

カーリースを利用するときは任意保険に加入しよう

すべての車は自賠責保険に加入していますが、自賠責保険の補償内容は非常に限定的ですので、任意保険に加入し、足りない補償を補う必要があります。特に、カーリースの場合は、車の修理費は自己負担になりますし、全損事故を起こすと「違約金」として残りの期間のリース料金を支払わなくてはなりません。これらのリスクには、任意保険の「車両保険」に加入することで備えられます。

一般的に、カーリースの月々の料金には任意保険の保険料は含まれていません。カーリースの契約の際は、ぜひ任意保険にも加入するようにしましょう。

今村まりな

【プロフィール】
今村 まりな教育現場に勤務しながら、2015年よりフリーライターとしての活動をスタートする。2019年からは大手自動車メディアでコラムの執筆を担当。これまでにカーリースや自動車保険などカーライフに関する記事を300本以上制作している。

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